リース契約とクーリングオフ

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弁護士 堀居 真大

平成2年3月 岐阜高校を卒業後、同年4月慶應義塾大学商学部入学
平成6年4月 三井海上火災保険株式会社入社(現 三井住友海上火災保険株式会社)
平成23年12月 愛知県弁護士会登録/名古屋第一法律事務所所属
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Q
会社で使うコピー機や車をリースしようと思うのですが、リースの仕組みがよく分かりません。レンタルやローンとは何が違うのでしょうか。また、リース契約を結ぶときに何か注意しておかなければならないことはあるでしょうか。

リース契約とは

まず、リース契約について説明します(ここでは、もっとも一般的な「ファイナンス・リース」についてご説明します)。

リース契約とは、会社などが新たな設備等を導入する際に、その設備を購入するのではなく、リース会社から借りて利用する契約をいいます。一般的な例としては、パソコンやコピー機などです。

ここでご注意頂きたいのは、リース契約とは「借りる契約」であって「買う」契約ではないということです。

例えば、あなたが100万円のコピー機を購入したいけど十分な資金がないという場合では、リース会社があなたの代わりにそのコピー機を購入して、あなたにコピー機を貸す代わりに、あなたから購入代金を分割して受領するということです。

リース契約とレンタル契約、ローン契約との違い

リース契約とよく似た形態の契約に「レンタル契約」があります。

例えば自動車を例に挙げると、車を借りたいと思う場合には、レンタカー会社とレンタル契約をすることも、リース会社とリース契約を締結することもできます。

レンタカー契約は、短期の利用を前提としているので、費用は比較的高めであり、レンタル会社の在庫内の物件からしか選ぶことができませんが、そのかわり中途解約が原則可能です。

一方で、リース契約は、長期の契約を前提としているので、費用もレンタル契約よりは安価で、何より対象物件を自由に指定できます。その代わり、中途解約ができません。

リース契約を解約できるか

2019.06.20

よく似ているけれど全く違う契約に割賦契約(いわゆる「ローン」)があります。ローンとリースの最も大きな相違点は、ローンが「売買」である一方で、リースは「賃貸借」であることです。

例えば自動車を購入する際にローンを組んだ場合、自動車は「購入」して自分のものとなります(ただし、ローン期間が終わるまでの間に限り所有者名義がディーラーや信販会社となる場合があります。所有権留保といいます))。しかし、リース契約は「借りている」にすぎないので、リース期間が終わったら、いくらリース料を支払っていても、自動車はリース会社に返却しなければなりません。

リース契約のメリット

では、なぜリース料を支払っても自分のものにならないリース契約の方が良いのでしょうか。

それは、リース契約はレンタル契約に比べて割安であり、ローン契約に比べて手軽だからです。

自動車を例にとると、1年以上自動車を利用する場合にはレンタル契約は割高となる場合が多いです。マイカーローンなどのローン契約は、頭金を求められる場合が多く、毎月の税金や車検、メンテナンスなどの費用や手間も自分で負担しなければなりません。

その点カーリースは、頭金が不要で、税金や車検などの諸費用や手続もリース会社が負担してくれるので、毎月の定額費用以外の費用負担や手間がなく、車の車種変更も面倒な売却手続きをせずに行うことができるなど、一定の費用で手軽に車を利用することができます。

近時はリース契約もバリエーションが豊富で、税金や車検に加えて整備点検やオイル交換、消耗部品の交換などもリース会社が行うメンテナンスリースという方式もあります(もちろんその分、費用は高額となります)。

何より、リース契約が現在のように広く普及するようになったのは、リース契約が手軽なことに加えて、リース料は全額経費として損金処理することができる点にあります。手軽さに加えて全額損金処理できることから、特に利益が出ている会社において、リース契約が広く普及するようになったのです。

リース契約のトラブルを防ぐために

しかし、手軽である反面、リース契約には注意すべき点が多数あります。

まず、もっとも注意すべき点として、リース契約は「解約できない」ということであることは、既にご説明しました。

それ以外にも「販売会社が契約当事者とはならないので、トラブルが起きやすい」という問題があります。

リース契約は、ユーザーとリース会社の間で締結され、リース物件を提供する会社(販売会社、サプライヤーなどと呼ばれます)は契約当事者ではありません。

例えば、あなたがあるコピー機をリースするとします。多くの場合、購入を勧めてくるのはそのコピー機の販売会社であり、リースの契約書もその販売会社が用意することが多いのですが、リース契約書の契約当事者は販売会社ではなくリース会社です。販売会社は契約当事者ではないのです。

というのも、コピー機のリース契約が締結される場合には、まずユーザーであるあなたが指定したコピー機を、販売会社がリース会社に代金一括払いで売ります。この時点で、売買は「販売会社とリース会社」の間で成立し、コピー機の所有者はリース会社になります。

そして、ユーザーは、リース会社が購入したそのコピー機を、毎月リース料を支払って「借りる」のです。つまり、リース契約を締結した時点で、あなたにリース契約を斡旋した販売会社は当事者ではなくなってしまうのです。

なので、後から「あまりに高額すぎる」「販売会社の説明内容と商品が違う」など、販売会社対する不満やクレームがあったとしても、それを理由にリース会社に対する支払いを拒むことができないのです。

このようなリース契約の仕組みを悪用して、販売会社がリース契約を勧める際に必要な説明をせず、あるいは虚偽の説明をしたり、商品が欠陥商品だったりするなどして、ユーザーが損害を被ったとしても、販売会社が逃げてしまうなどして責任を問うことができない場合に、リース会社に対するリース料の支払義務だけが残ってしまうというトラブルが頻繁しています。

クーリングオフ制度について

このようなリース契約の特徴を利用して、これまでにも悪徳販売会社がユーザーを騙してリース契約を締結させるというトラブルが多発しました。

こうした被害を救済する制度として、例えば特定商取引法では「クーリングオフ」という制度が定められていて、同法が定める取引形態(訪問販売や電話勧誘販売等)においてはクーリングオフの説明に関する書面を交付する義務があり、書面を受領した場合には原則8日以内にクーリングオフを主張して契約を解約することができます。

しかし、特定商取引法や消費者契約法などは、基本的に個人を対象としており、営業上の取引を対象としていません。例えば上記の特定商取引法では、26条の1項1号で「営業のために若しくは営業として締結する」契約を対象外としています。

同様にクーリングオフ制度を定める消費者保護法も、消費者を「個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるもの)を除く)」と定義して、事業者を除外しています。

なので、法律上は原則として、法人や個人事業主の方はクーリングオフの制度を利用できないことになります。だからこそ、クーリングオフができないことを見越した悪質業者が後を絶たないのです。

リース被害にあった場合の対策方法

もっとも、事業者間の取引はすべてクーリングオフができないとするとあまりに不平等、不公正となるような場合においては、多くはありませんが、事業者にもクーリングオフを認める裁判例もあります。

また、販売業者の販売方法があまりに悪質な場合には、販売業者に対して不法行為に基づく損害賠償請求をすることも考えられます。

しかし、いずれにしても容易ではないので、まずは弁護士に相談されることをお勧めします。

そもそも、リース契約は手軽である反面解約ができず、契約相手が販売会社ではなくリース会社であるという特徴がありますので、リース契約を締結する際には、説明に誤りはないか、費用は適切か、虚偽の説明はないかなどを慎重に吟味し、販売会社についても社会的に信用のある会社と取引するなどして、トラブルを避けるようにすることが望ましいです。

リース契約を解約できるか

2019.06.20

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平成2年3月 岐阜高校を卒業後、同年4月慶應義塾大学商学部入学
平成6年4月 三井海上火災保険株式会社入社(現 三井住友海上火災保険株式会社)
平成23年12月 愛知県弁護士会登録/名古屋第一法律事務所所属
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