手形の廃止と電子記録債権

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弁護士 堀居 真大

平成23年12月 愛知県弁護士会登録/名古屋第一法律事務所所属
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これまで永く利用された約束手形が、2026年をめどに利用廃止の見通しであること、こちらの記事でお伝えした通りです。

では、手形のような「当事者間で簡易に合意できる資金調達手段」がなくなってしまうかというとそうではありません。手形に代わる新しい手段である「電子記録債権」略して「でんさい」をご存知でしょうか。ここでは、この電子記録債権について見ていきます。

目次

電子記録債権とは何か

でんさい(電子記録債権)は、手形や振込に代わる新たな決済手段であり、事業者の資金調達円滑化を図ることを目的として創設された新たな金銭債権です。

一言で言うと「金銭債権を電子化したもの」です。手形では「紙」に書かれていた金銭債権が、でんさいという電子記録になるというイメージです。

でんさいは、金融機関の窓口などを通じて、でんさいネットなどの電子債権記録機関が作成する記録原簿に登録されます。

記録原簿では、電子記録債権の発生(手形でいうところの振り出し)、譲渡(手形でいうところの裏書)、支払い(手形でいうところの決済)などの情報が電子記録債権法に基づき厳格に管理され、当事者はその内容を常に確認できます。この点で、でんさいネットは、不動産でいう登記所のような役割もあります。

手形と電子記録債権の違い

そもそも手形には「作成するのに手間がかかる」「直接交付する必要がある」「紛失や盗難のリスクがある」「分割できない不便さ」などの欠点がありました。

しかし、でんさいは電子記録なので、手形発行に必要な手形帳を事前に銀行から交付される必要もなく、面談や郵送などで手形を交付する必要もなく、手形の紛失や盗難を心配する必要もありません。支払期日になると銀行が自動で入金してくれるので、取り立て事務も不要になります。

電子記録債権の利用手続きについて

でんさいを利用するには、双方が金融機関にでんさいネットの利用を申し込む必要があります。こちらだけでんさいネットに契約していても、相手が契約していなければ、でんさいネットは利用できないのです。

もっとも、手形取引が2026年までに廃止されることを考えると、今後、手形に代わる、手形より便利な決済手段として、でんさいが注目されると思われます。

政府や銀行協会も、でんさいという制度を普及させるべく、マンガや動画などでわかりやすく説明してくれていますので、ご参照頂ければと思います。

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