フランチャイズ契約の連帯保証人について知っておくべきこと

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弁護士 小嶋 啓司

弁護士 小嶋 啓司

2016年 弁護士登録(愛知県弁護士会)/名古屋第一法律事務所所属
2017年 愛知中小企業家同友会会員
2021年 NPO法人あいちあんきネット理事
2022年 愛知県アーチェリー協会理事
2023年 名古屋外国語大学非常勤講師(企業と社会)

 

労働、相続等の一般民事に加え、スポーツ法務、中小企業法務を取り扱う。経営者と伴走し、法的トラブルの解決や予防法務を通じて、会社や事業の成長・発展に尽力する。

フランチャイズ・システムにおいて、フランチャイジー(以下「加盟者」といいます。)はフランチャイザー(以下「本部」といいます。)が構築した店舗の運営方法やノウハウなどを利用することができるため、新たに事業を行いたい人にとって挑戦しやすい事業の1つかと思います。

他方で、フランチャイズ契約を締結するにあたって、資金力や事業に関する知識・経験等において加盟者と本部との間に大きな格差があるため、「こんなこと聞いてない!」、「こんなつもりじゃなかった!」となってトラブルになることは多々あります。

本部は、加盟者の債務(ロイヤリティーの支払い等)を担保する手段として、保証金の預託を求めてきたり、連帯保証人をつけるよう求めてきたりします。

単にお金を渡す保証金とは異なり、連帯保証人はわかりにくいことが多いのではないかと思います。

そこで、今回は『フランチャイズ契約の連帯保証人について知っておくべきこと』について、お話したいと思います。

目次

連帯保証人とは

フランチャイズ契約における連帯保証人は、本部との間で加盟者の債務を連帯して負担する旨を合意した人です。

本部としては、たとえば、加盟者がロイヤリティーを支払わないときロイヤリティーを回収するために連帯保証人に対して、ロイヤリティーを支払えと請求することができます。

このとき、連帯保証人は、先に加盟者に請求してくれといって支払いを拒むことはできません。この点は、『連帯』ではない保証人との大きな違いの1つです。

連帯保証と書面による締結・極度額

連帯保証人になるには、本部との間で、連帯保証契約を書面で締結する必要があります。

また、2020年4月から施行されている民法改正により、連帯保証人が個人である場合には極度額を書面等で明確に定めることが必要となり、極度額を定めていない場合には契約は無効となります(民法465条の2第2項)。

フランチャイズ契約では、わざわざ本部と連帯保証人との間で別個に契約書を作るということはせずに、本部と加盟者が締結する契約書内に「連帯保証」の条項を設けて、連帯保証人を含めた三者で契約を締結するという形を取ることもあります。

連帯保証人の責任の範囲

本部としては加盟者の債務を担保する目的で連帯保証人をつけるよう求めていますので、契約書では連帯保証人が負う責任の範囲として「フランチャイズ契約により加盟者が本部に対する負担する一切の債務」といった内容が記載されることが多いかと思います。こうなりますと、連帯保証人は、フランチャイズ契約上発生する加盟者の債務全てについて責任を負うことになります。

とはいえ、加盟者が支払った分まで責任を負う必要はないので、連帯保証人としてはどのような内容の債務が残っているのかについて、知りたいところかと思います。この点については、連帯保証人が本部側に請求すれば、本部側は元本や利息等について情報提供をするように義務づけられていますので、把握することは可能です(民法458条の2、同の3)。

終わりに

連帯保証人は加盟者とほぼ同じような立場で債務を返済していくことになります。

そういった意味で負担が大きいと思いますので、連帯保証人をお願いする人に対しては、今回お話したことをしっかりと伝えていただいて、連帯保証人になっていただくのがよいかと思います。

もっとも、契約内容次第で他にも注意すべき部分があるかと思いますので、この契約の連帯保証人はどんな責任を負うのだろうと不安に思った方は、弁護士にご相談いただければと思います。

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