代金の減額と下請法違反

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弁護士 堀居 真大

平成23年12月 愛知県弁護士会登録/名古屋第一法律事務所所属
Q
定期的に部品を納めている大口取引先が、突然、下請けである当社に対して、既に発注済みの商品も含めて一方的に代金を減額する旨を通告してきました。抗議しても「品質が低い」「競争が厳しい」「当社も経営が厳しいので一緒に耐えてほしい」などと言って取り合ってくれません。このような扱いには何か法的に問題は無いのでしょうか。

下請法「下請け代金の減額の禁止」条項

元請け会社がその立場を利用して下請け会社に一方的な不利益を強いることを禁止する法律として、いわゆる「下請法」という法律があります(下請法が適用されるための要件について詳しくはこちら→下請法とは何か)。 下請法4条1項3号では「下請事業者の責に帰すべき理由がないのに,下請代金の額を減ずること」を禁じています(下請代金の減額の禁止)。なので、元請け会社が一方的に下請代金を減額してきた場合には、下請け会社は元請け会社に対して「下請法違反である」と主張することができます。 元請会社が「次の代金に上乗せする」「今後は発注する仕事を増やす」などと説明しても、下請法の明文に反することに変わりはなく、違法です。

減額の態様は様々

減額の態様は様々です。単に代金の金額を減額する場合に限らず、例えば「販売協力金」「金利相当額」「協賛金」等の名目を作り、その費用を下請代金から差し引いたりする場合があります。このような場合にも、実質的な下請代金の減額であるとして違法となります。

元請け会社が、その優位な立場を利用して、下請け会社に減額を無理やり「承諾」させることがあります。このような場合でも(仮に承諾書面を作成していても)「不当な減額」として下請法違法となり得ます。

よくあるのが「不良品である」「完成度が低い」など、あたかも合理的な理由があるかのように説明して下請代金を減額する場合です。このような場合にも、当該理由が正当なものでない場合には「不当な減額」として下請法違反となります。

もっとも、下請け業者に責任がある場合、例えば納入した製品に重大な瑕疵があり契約を履行したと言い難いような場合には、「下請事業者の責に帰すべき理由がない」とはいえず、不当な減額にもならない場合がりますのでご注意ください。

まとめ

下請法違反として公正取引委員会が下請法7条に基づき行われる勧告のうち最も多いのがこの「不当な減額」です。下請代金の減額は元請け会社にとってもっとも簡単かつ効果的なコスト削減方法であり、下請け会社も今後の取引の支障などから不平を言い辛いという事情があるからです。

しかし、このような元請け会社の横暴は社会的公平に反するものであり、こうした行為を規制するために制定されたのが下請法です。

同法では罰則や勧告のみならず、違反企業を公正取引委員会のホームページで公表するという厳しい措置があります(近年では森永製菓株式会社も「下請け代金の減額禁止違反」として公表されました)。下請け企業に対する報復措置も同法で禁じられています(4条1項7号)。

元請け会社の不当な代金減額に対しては、弁護士に相談するなどして、毅然とした対応をすることをお勧めします。

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