フランチャイズ契約における解約一時金や違約金の意味

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弁護士 山本 律宗

弁護士 山本 律宗

2014年12月 弁護士登録(愛知県弁護士会所属)/名古屋第一法律事務所所属

フランチャイズ契約を解約する際、フランチャイジーがフランチャイザーに対して解約一時金を支払わなければならないとする条項が契約書に盛り込まれていることは良くあります。

また、フランチャイズ契約解約後にフランチャイザーの商品やサービスであることを示す表示等が残っていたことにより、違約金を求められる場合もあります。

そこで、こうした解約一時金や違約金という言葉の意味について、少し整理をしておきたいと思います。

解約一時金とは

解約一時金とは、契約期間が満了する前に解約をする場合などに、解約を申し入れた当事者が他方当事者に支払う金員をいいます。

後述する損害賠償額の予定とは異なり、一方当事者からの申し入れがされたことによって支払い義務が生じるもので、契約の不履行(債務不履行)は要件ではありません。

もっとも、契約書上の記載によっては、文言上「解約一時金」と表現されていても、実質的には損害賠償額の予定であったり,反対に損害賠償という表現がされていても実質的には解約一時金の定めであったりして、統一されていないのが現状です。

そのため、契約締結前には、どのような意味で使われているのか(どのような場合に支払い義務が発生するのか)を、よく確認しておく必要があります。

また、解約一時金の定めが置かれていたとしても、全ての場合において有効という訳ではありません。解約一時金の定めが、個人の営業の自由や経済活動の自由に対する制限として社会的良識や正常な商慣習に照らして合理的に必要と認められる範囲を超える場合には、その全部又は一部が無効とされることがあります(東京高判平成7年2月27日判決等)。

違約金とは

違約金の定めは、損害賠償額の予定を定めたものと推定されます。つまり、債務不履行があった場合に、義務違反があった側が払うべき賠償額を予め定めものとなります。

もっとも、これについても解約一時金同様、契約書に記載された規定の仕方によっては表現と内容が一致していないこともありますので、その点については留意をする必要があります。

また、違約金についても、その限界があるのは、解約一時金と同様です。違約金の場合は,その趣旨や内容などからそれによって達せられる債権者の利益あるいは債権者の被ることが予想される損害の程度と比較して、その額が著しく均衡を失すると判断されるときはその一部又は全部が公序良俗に反して無効となることがあります(前掲裁判例など)。

また、フランチャイズ契約の締結過程において、フランチャイザーの説明義務違反があり、これによって契約終了に至った場合に、フランチャイザーからの違約金請求が公序良俗違反として認められなかった事例もあります(→コンビニエンスストアのフランチャイズ契約においてフランチャイザーの説明義務違反が認められた例

まとめ

契約書を読む際には、「解約一時金」や「違約金」といった文言だけにとらわれず、それがどのような意味で使われているのかを規定全体から正しく理解する必要があります。規定された内容を正確に読み解くことで、本来請求できる金額を請求し損ねたり、逆に不必要な請求を受けることも無くなるでしょう。

また、特にフランチャイザー側においては、解約一時金や違約金の定めを設ける場合には、その定めが客観的に見て合理的なものであり,その定めを置くことが必要であるといえる範囲内に収まっており、過剰な規定になっていないかについて注意する必要があります。

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