フランチャイズ契約には、しばしば「競業行為の禁止」条項が盛り込まれています。ですが、「何をしたら競業行為になるのか」が曖昧で、判断に迷うケースもあります。
特に競業行為に該当すると、違約金などの契約上のペナルティが課されることもあり、フランチャイズ契約中はもちろん、契約終了後にも大きな影響を及ぼします。
この記事では、「何が競業行為にあたるのか」について、実際の裁判例を交えながら解説していきます。
まず契約書の内容を確認
競業行為に該当するかどうかは、まず契約書の文言を確認することが出発点となります。
競業行為の禁止条項といっても、様々な書き方があります。何がそこで禁じられているのかは、その契約文言の解釈によって決まりますので、まずは契約書でどのような文言が用いられているのかを正しく把握しましょう。
例えば、「同種または類似の事業を行わないこと」といった、やや抽象的な表現がよく使われます。このような場合、具体的にどのような行為が「競業」に該当するのか、非常に判断が難しくなります。
裁判では、個別具体的な事情を踏まえて、「競業」に該当するかどうかを判断されています。
いくつかの裁判例をご紹介します。
実際の裁判例からみる「競業行為」
ケース1:別の居酒屋チェーンに加盟(東京地裁平成16年4月28日判決)
元加盟者が別の居酒屋チェーンに加盟し営業を行った事例です。契約書には「〇〇に類似する事業は禁止」と記載されており、裁判所はこの競業禁止条項を「合理的な制約」と認め、競業行為に該当すると判断しました。
ケース2:同業態での再出発(東京地裁平成20年9月25日判決)
串焼きチェーンの元加盟者が、契約終了後に居酒屋を経営した事例です。契約書では禁止される競業行為が「同種または類似の事業」と記載されていたところ、同じ「焼き鳥」業態であることや従業員の引き継ぎもあり、競業行為と判断されました。
ケース3:加盟前から行っていた事業との関係(東京地裁令和2年2月27日判決)
歯科医師が、ホワイトニング等を提供するフランチャイズに加盟し、契約終了後に審美歯科としてホワイトニングを提供していた事例です。
契約書では「ホワイトエッセンスと競合する事業」が競業行為として禁止されていたところ、「元々行っていた医療行為の範囲内であり、一般的な審美歯科の領域にとどまる」として、競業行為には当たらないと判断されました。
競業行為の判断は個別具体的に
ご覧のとおり、「競業行為にあたるかどうか」は、契約の文言や実際の事業内容などをふまえて、ケースごとに個別具体的に判断されます。
フランチャイズ契約終了後の競業行為が禁じられていても、それが合理的な制約として効力が認められるかどうかが問題となりますが(フランチャイズ契約の競業避止義務は有効?無効?裁判例から学ぶ判断基準)、それとは別に、そもそも競業にあたるのかどうかという点が問題となりうることに注意が必要です。










