商業登記(会社登記)とは

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司法書士 小川 和也

司法書士 小川 和也

名古屋市瑞穂区生まれ
2011年 愛知県立瑞陵高校卒業
2015年 立命館大学法学部卒業
同年  司法書士試験合格
同年  名古屋市丸の内・安井司法書士事務所に入所
2019年 梅村司法書士事務所 所属(名古屋市今池)
司法書士 小川 和也

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中小企業家にとって、商業登記と接するタイミングは、4~5年に1度、なんていうことが多いかもしれません。さらには10年に1度、というケースも往々にしてあります。

どのような場面で、商業登記がでてくるかというと、役員の変更、増資や減資、会社の目的の変更、本店の移転、種類株式の発行、取締役会の設置、事業譲渡、などといったところでしょうか。

商業登記は、普段の会社業務を行っていくうえでは、あまり関わりがないといえます。

さらに、顧問先の税理士から、「商業登記も行う。」と言われるがまま、書類にハンコを押し、それでもって登記が完了していた、ということもあるようです。

しかしながら、商業登記は、実は中小企業家にとっても、重要な会社運営上の法的ツールなのです。

商業登記を専門に業務として行うことができるのは、原則、弁護士と司法書士のみとなります。ただ、実際に商業登記の申請を行っているのは、司法書士がメインというのが実態です。

今回は、司法書士と商業登記の関わりや、そもそも商業登記とはなにか、見ていきましょう。

商業登記とは

商業登記とは、商業登記法第1条に

会社法などの法律の規定により登記すべき事項を公示するための登記に関する制度について定めることにより、商号、会社等にかかる信用の維持を図り、かつ、取引の安全・・・目的とする

と、長々とありますが、要は、「会社の謄本に、御社のことをきちんと記録して、取引の安全を守りましょう」ということにつきます。

商業登記は、この「取引の安全」というところが、ミソとなります。

弁護士の主たる業務と言えば「裁判」ですが、その裁判や争いごとが、そもそも起こらないようにするために、商業登記制度があるのです。

これは、いわば「予防法務」と呼ぶことができ、司法書士は、「争いごとが起きないように、あらかじめ、法的準備を施しておく」ことを、専門としております。

例えば、代表取締役Aが辞任し、代表取締役Bに変わっているのにもかかわらず、登記をしていなかった場合です。仮に、Aが勝手に他社と取引をしてしまったとき、会社は「代表者はAからBに変更している!」と他社に主張することはできず、Aの勝手な取引は有効となってしまう可能性があるのです。

会社の一定の事項について変更があった場合は、それを登記しておかなければ、第三者に対抗することができないのです。

登記の懈怠と過料の制裁

商業登記制度の円滑な運用を担保するために、会社法には「過料」という一種の制裁金の規定が定められています。

会社の登記しておかなければならない事項(登記事項)に変更があった場合は、変更があった日から、2週間以内に登記を申請することが義務付けられているのです。

この2週間を過ぎてしまうと、100万円以下の過料に処せられてしまう可能性があります。

ただ、1日でも過ぎれば、即過料かと言われれば、そうではないのが現状です。

しかし、数か月遅れてしまって、過料を請求されたとしても、文句は言えません。

過料の額については、明確な基準は明らかにはなっていませんが、私の経験上、数万円~数十万円にのぼるケースがありました。

ちなみに、過料を受けたとしても、前科となるものではありませんが、経費や損金とすることもできないので、注意が必要です。

登記事項に変更が生じたら、すぐさま登記を申請することが好ましいでしょう。

商業登記と会社のカスタマイズ

商業登記は、「取引の安全」を目的とすると述べましたが、その他にも、「会社を自らの好みの形にカスタマイズする」ことができます。

カスタマイズすることによって、どのような会社運営をしていきたいのかという意向に沿うことができ、より円滑な業務が可能となります。

例えば、会社にどのような機関を置くのか、という論点があります。

取締役は何人にするのか、監査役は置くのか、取締役会は置くのか、代表取締役はどうするのか、株主総会の運営はどうするのか・・・など、「どのような会社にしたいのか」ということを踏まえて、検討する必要があります。

また、株式についても同じように、様々な需要に応えられるよう、多くのオプションが用意されています。

例えば、株式の譲渡は自由にできるのか、株主総会での議決権をなくした株式を発行できるのか、難癖をつけてくる株主を排除するために株式を利用できるか、増資をするときはどうなるのか..・・・など、多くの選択肢があるのです。

株式譲渡制限とは

2018.07.28

このように、商業登記は、取引相手の信用を得るためだけではなく、会社の対内的にも重要な要素となってくるのです。

商業登記に関するご相談は司法書士へ

これまで見てきたように、商業登記は、会社運営に関して、様々な工夫を施すことができ、それによって、あらかじめ争いごとが起こらないよう会社を設計することができます。

現状の会社設計に疑問ある方、より効率のよい会社形態はなにかと考える方、将来の会社の行方に不安のある方は、商業登記を専門にする司法書士へ相談されてみてはいかがでしょうか。

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名古屋市瑞穂区生まれ
2011年 愛知県立瑞陵高校卒業
2015年 立命館大学法学部卒業
同年  司法書士試験合格
同年  名古屋市丸の内・安井司法書士事務所に入所
2019年 梅村司法書士事務所 所属(名古屋市今池)

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